Manchester: The Birth Of Britpop - ブリットポップが生まれた街

2016年6月22日
80年代のイギリス社会は、労働者階級にとっては暗く厳しい時代でした。
失業率は高く、人々のやる気もかつてないほど低迷していました。社会が失望を味わう時代というのはしばしば、アートが重要な役割を担う時です。80年代後半のマンチェスターに生きていた若者たちにとって、音楽は単調な毎日を打ち壊す大きな存在でした。週末のわずかな時間、野外会場で好きなバンドのライブを見に行くだけでもよかったのです。
ストーン・ローゼズはそんな時代に、マンチェスターから生まれた新たなカルチャーの一部でした。それまで聴いたことのない彼らのサウンドは、地元の若者たちのイマジネーションをがっちりとつかむことに成功しました。自分たちでタイトルをつけたデビュー・アルバムは、あきらめしか知らなかった若者たちの間に自由と連帯感を生み出し、この時代最も崇拝されるアルバムの一つとなりました。初期の頃のライブは、いまやマンチェスターの伝説の中に確固たる地位を築き、それを直に体験した人々は、ストーン・ローゼスと一体感を持ち、自分たちの声を代弁してくれる存在であると信じていました。イアン・ブラウンの反体制的な言動は多くの共感を呼び、ジョン・スクワイアのギターの奏でる色は、色彩のない絵に光を与えました。マンチェスターの若者たちはようやく、楽しみを見つけたのです。

1990年のスパイク・アイランドで行われたライブコンサートは、そんな彼らの白日夢の結晶でした。2万7000人のファンが、もはやバンドの代名詞となったバギースタイルの服に身を包み、マージー川河口のすぐそばで熱狂したイベントは、その後数十年間にわたって語り継がれる神話となっています。平凡な日常にはない連帯感と幸福感が、そこにはあったのです。

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